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良い刃物とは

基本的な概念

刃物に関する「良い」「悪い」

投稿日:13/03/2019 更新日:

刃物を販売していて思うのは、「良い」という言葉の難しさです。

良い刃物
良い切れ味
良い研ぎ上がり
良い砥石

例に挙げればキリがありません。
モノは何でも「良い」「悪い」で判断されて当たり前のはず…
ですが、こと、刃物に関しては、「良い」「悪い」の評価付けは
単純にはいかないことがほとんどです。

理由は、「良い」には主観が入ってくることです。
先の記事にも書きましたが
刃物を研いで、本当に【あなたにとって】良い刃を付けられるのは
プロではなく、研ぎ技術を向上させたあなた自身です。

誰しも、研ぎが楽しくなってくると、自たちが理解したことや
いまの時代ではYouTubeなどを見て、この人すごい!と思った人から
技を目で盗んで、独自のお作法をつくっていきます。
他人の研ぎを見たときに、そのお作法に沿っていないと
「良くない」と評価されてしまうこともあります。
刃物関連の掲示板で、たまに見ること、ありますよね

たとえば「良い砥石」なんて、千差万別です。
硬いのが良い人もいれば、柔らかいものを好む人もいる。
産地はどこそこが良いとかも意見が分かれます。
ただ、カタチがきれいで厚みもあって筋もない…など
客観的な「良い」も、もちろんあります

対して、「悪い」ということは、えてして客観的です。
「悪い刃物」というと、焼き入れや焼き戻しに問題があったり
形状がきれいでなかったりします。
「悪い切れ味」は、明確に切れないことを意味します。
「悪い砥石」も、天然砥石だと、筋があったり、カタチがいびつだったり。

つまり、「良い」は主観混じり、「悪い」は客観の場合が多い。
という前提をお伝えした上で、私が考える良い刃物とは…

(1)確かな形状
(2)用途に最適な焼き入れと焼き戻し
を持つ刃物であり、
(3)一定レベル以上で定期的にメンテナンスされている刃物
となります。

「確かな形状」ですが、これは多くの鍛冶屋さんや研ぎ屋さんが
『元の形状を維持するイメージを持ってほしい』と話しています。
しかし、元の形状がお粗末なら、それを維持する意味が薄れます。
たとえば片刃なら、真っ直ぐで歪みがなく
将来的に裏押しが途切れたりしないか、などでしょう。
※中級者ぐらいまではほとんど裏を研ぐ必要はありません。

それを実行するために絶対的にしなければならないのは
「砥石をいつも平らに保つ」こと
「荒い砥石から細かい砥石に番手をあげていく」ことです。

「人の手でつくられたものは、人の手でメンテナンスした方がよい」は
これから先どんなメンテナンス製品が出てこようとも
大原則であり続けるでしょう。

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uracci

工学部材料工学科卒、しかも専攻は鉄鋼材料。しかし、当時は何の魅力も分からず遊んで大学を卒業する。仕事は、大学の専攻にまったくがない広告制作業を選択。時は流れ…何の因果か、雑誌で鍛冶屋の特集を担当することに。あの時、もっと勉強しておけばよかったと思いつつ、もう、これは何かの業だと腹をくくり、鉄と鋼に詳しくなろうと決意。雑誌「庭」にプロの職人の道具について、連載を継続中。

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