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基本的な概念

はじめに(研ぎが最も上手な人とは)

投稿日:16/03/2016 更新日:

はじめまして、uracciです。
刃物について雑誌で連載を持っていて、2012年から自らでも刃物を販売しています。

ブログを立ち上げようと思ったのは、かつてのように毎日のように刃物を研がない時代になり
研ぎについての知識や技術が伝承しづらくなってきていると感じたからです。
これは、使い捨てや大量生産品が出回る環境の中で
つくり手や売り手が研ぎの大切さを啓蒙せずにきたことが原因です。
明らかに、海外への刃物の輸出を見ていると、「売っておしまい」ですから。
(砥石は重たいので送料が高い。3000円の砥石に3000円の送料がかかります。
とはいえ、研ぎこそ日本の刃物の命ということを忘れてはおしまいですよね)

突然ですが、刃物研ぎが一番上手なのは誰か知っていますか?
日本刀の研ぎ師でしょうか?
それとも刃物自体を製造している鍛冶屋さんでしょうか?
分業制で刃物の研ぎを担当している研ぎ屋さんでしょうか?
刃物屋さんでしょうか?

すべて、とても上手な方々です。
とてつもなく切れるようにしてくれる方もおられます。
ですが、お仕事なので、よほど高い刃物で、懇意にしていない限りは
万人向けの仕上がりで返ってくるはずです。
つまりは、利用者の生活や人となりに対する最適化は、ほとんどの場合はないわけです。

それでは、ポテンシャルという観点も含めて、最も研ぎが上手なのは誰か。
実は、それは使い手であるあなた自身なのです。
なぜなら、本人は、よく切る素材も、手癖も、生活習慣も、熟知しているからです。
「今日の作業だと、これぐらいでいいかな」と良い塩梅に研いで使う上手さは
プロでもできない最適化です。
忘れたころに、プロにピンピンに研いでもらうよりは
このような使い方で毎日研いでもらえる方が
実用美を持つ刃物に仕上がっていきます。

プロ達が使う「切れる」という言葉は、いわゆる『切断能力』を意味しています。
しかしながら、私たちのようなユーザーが言う「切れる」という言葉は
『切れるという感覚』を意味しています。
圧倒的な『切断能力』があれば、『切れるという感覚』を凌駕することも事実ですが
その圧倒的な切断能力の基本となるのは、刃物自体のグレードと、そのグレードの刃物を研げる技術です。
普段使いの包丁や鋏に、何十万円もする逸品を使う人ばかりではありませんし、
そのような逸品を絶対にうまく研げると言い切れる人は少ないはず。。

当サイトは、鉄と鋼(ハイスやステンも含む)でできた刃物であればグレードに関係なく、
毎日の愛用とメンテナンスによって、
実用美を持つ刃物に育てていくことを目指し、情報発信いたします。


2016年3月吉日
uracci(浦田浩志)

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uracci

工学部材料工学科卒、しかも専攻は鉄鋼材料。しかし、当時は何の魅力も分からず遊んで大学を卒業する。仕事は、大学の専攻にまったくがない広告制作業を選択。時は流れ…何の因果か、雑誌で鍛冶屋の特集を担当することに。あの時、もっと勉強しておけばよかったと思いつつ、もう、これは何かの業だと腹をくくり、鉄と鋼に詳しくなろうと決意。雑誌「庭」にプロの職人の道具について、連載を継続中。

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